John M.J. Madey によるFELの最初の論文(1971)-1

John. M.J. Madey は、自由電子レーザ(Free Electron Laser; FEL)の発明者として知られている (Phillips が1957年にUbitron を発明しているため、Madey のFELは「再発明」と言われることもある。Ubitron については、日をあらためて書きたい)。 Madey による最初のFELの提案論文が、Journal of Applied Physics に掲載されたのは 1971年4月のことである。

DOI: 10.1063/1.1660466

“Stimulated Emission of Bremsstrahlung in a Periodic Magnetic Field” とある論文タイトルに FEL の文字はない。直訳すると、「周期磁場における制動放射の誘導放出」となる。論文中でfree electron laser の語が現れるのは、末尾の Acknowledgements の部分のみで、そこには、”… acknowledge my discussions with Professor H. A. Schwettman who has had a concurrent and independent interest in the possibility of a free-electron laser.”とある。

さて、この論文 で、Madey は周期磁場(アンジュレータ)を通過する高エネルギー電子からの誘導放出による光子の発生を議論し、光子の増幅率を計算している。まさしく、自由電子レー ザによる光の増幅だ。ただし、彼の論文は、現在のFELゲインの計算方法とは異なり、量子力学による解析に依拠している。

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