John M.J. Madey によるFELの最初の論文(1971)-4

Madey が1971年にJ. Appl. Phys. に発表した論文について、さらに続ける。

Stimulated photon generation and absorption

前回の記事までをまとめると、アンジュレータを通る電子の静止系では、アンジュレータ磁場が仮想光子となり、電子と散乱する。この時、あらかじめ散乱光子と同じエネルギーの光子(入射光)があると、誘導放出(誘導散乱)が起こり光が増幅される。

これを図に示すと次のようになる。\omega_L, \vec{k}_Lは、入射光の周波数と運動量、\omega_U, \vec{k}_Uはアンジュレータ磁場の仮想光子の周波数と運動量、E_i, \vec{p}_iは散乱前の電子のエネルギーと運動量、E_f, \vec{p}_fは散乱後の電子のエネルギーと運動量である。誘導放出によって光子が生成し、入射光の増幅がおこる様子が示されている。

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二凖位系の例と同じく、この場合も誘導吸収(単に吸収ともいう)=入射光子が消滅する過程も考えなければならない。

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レーザの場合は、反転分布があれば、誘導放出が吸収を上回り光の増幅が起こる。アンジュレータを通る電子の場合、誘導放出と吸収の大きさを比べるとどうなるであろうか?次回の記事に続ける。

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